エール!
原題:”La Famille Bélier”
家族全員の「耳」で「声」な少女が自分の人生を踏み出すまでのお話。
フランスの田舎で農家を営むベリエ家は4人家族だが、娘のポーラ以外は全員耳が聞こえない。村のマルシェでもお客との会話は全てポーラが担っていた。そんなポーラが中学の選択授業に選んだのはコーラス。歌に興味があったわけではなく憧れの男の子がいるからという理由だったが、彼女の歌を聴いた音楽教師のトマソンはパリの音楽学校のオーディションを受けることを勧める。しかし彼女はベリエ家の「耳」で「声」。家族を残して一人、パリに行くことはできない……。
フランスで大ヒットしたこれまた歌ありドラマ。結構オープンな家族の生活感はまぁ仲のいい親子ってことなのかなぁ。耳が聞こえない家庭の生活は、思った以上に音が多いんだなと(食器や色々なものが当たってカチャカチャ鳴る音もわからないから)。
一番の見せ場はやはりポーラが学校の発表会でデュエットを歌うシーン。観客が感極まって涙し、大きな拍手を送っている中、家族にその歌声が「聞こえない」(そこだけわざわざ音声が聞こえなくなる)という効果はとてもとても大変。ああ、こんな感じなんだーと、健常者がその大変さを本当に実感できるという意味ではとても意味があるシーンだ。
主演はルアンヌ・エメラ。フランスで人気のオーディション番組で見出されて賞もとってるそーな。なんとも素朴なニュースター、なんかよく似た人を知ってる気がする。(笑)他にはカリン・ヴィアール、フランソワ・ダミアン、エリック・ルモスニーノ。
監督はエリック・ラルティゴ。
笑って泣いて、楽しい映画。健常者が見るべきですね。