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Runnin' Wild

突入せよ! あさま山荘

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公式サイトなし (2002)

事件が起こった当時、俺は4歳。覚えてるわけない。でも鉄球のシーンは何度もテレビで見た気がする。真面目なお話なんだけど笑わずにはいられないのは、「踊る……」シリーズで見た警察の縄張り意識とかそーいうのがあちこちに見えて「こいつらバカだなぁ」と思うからか。今では起こりえない……とも言えないところがなんとも。

1972年2月19日、「山岳ベース」事件を起こして逃走中だった赤軍派のメンバーが軽井沢レイクニュータウンの「さつき山荘」で発見された。警官隊と撃ち合いになった赤軍メンバーはその近所にあった「あさま山荘」に逃げ込み、管理人の妻を人質に取って籠城を開始した。当時長野県警は警察庁の協力を拒んでいたが、後藤田長官の指示によって警視庁から佐々警視正他の幹部と第九機動隊が送られることになる。

もちろん実話なのでそれなりに現場の迫力というものが感じられるんだけど、それ以上に県警と本庁の縄張り争いや意地の張り合い、戦争帰りのプライドなどいろんなものがぶつかり合って、内部統制がまーったくうまくいかない様はまるでコメディ。笑わずにはいられない。ホントにこんな環境で指揮を執っていたとしたらやりきれないよなぁ。そしてそのために犠牲になった人たちのことを思うと。今ならSATがあるから(実はこの事件を契機に特殊部隊の編成が行われることになり、1977年にSATの前身となる部隊が誕生しているそーな)なんとかなったのか……それでもあの自然の要害を落とすのはかなり大変だったかもしれない。

このときの佐々警視正が佐々淳行本人で、この映画の原作に当たる「連合赤軍『あさま山荘』事件」の著者。現場にいた人間の言葉なんだからそりゃー臨場感もありますわな。現役の間はテロ(よど号ハイジャック事件もこの人)、外事案件などを多数手がけて、初代内閣安全保障室長にもなった人。筋金入りだったんですね。

政治や思想信条は立ち位置によって正義と悪が変わるものだから、どちらが正しいとは言わない。でも暴力によって起こす革命、人の命を奪うことが正しいことだとは決して思わない。日本という国を守るために必要な力はあるし、それを正しく使える(もちろん使わないことが一番だが)ように我々国民は学ばなければいけないことがたくさんあるのかもしれない。暴力を持って訴えてくるものに対して素手で立ち向かえというのは、言うのは簡単だが死にに行けと言ってるよーなもんだ。

15年前の映画なんでまだ有名になる前のあんな人とかこんな人がたくさん出てる。主演の役所広司を筆頭に、宇崎竜童、石丸謙二郎、田中要次に遠藤憲一、椎名桔平、豊原功補、荒川良々、八嶋智人、武田真治、そして今は亡き藤田まことも。男のドラマなんでほぼ女性は出てこないけど、やっぱりお美しい天海祐希、篠原涼子、もたいまさこなど。一部の人を除いて実名です。
監督は原田眞人。「日本のいちばん長い日」とか「駆込み女と駆出し男」とか、結構見てますな、この人の映画。

時代がそうさせたと言うのか、冷戦時代、赤い人たちに狂わされたと言うべきか。平和ボケした現代人にはちょっと縁遠い話だけど、歴史ドラマとしてみるなら面白いかなぁ。

Written by ei

3月 12th, 2017 at 9:20 am

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